

映画のプロデューサーになってどれくらい経つのだろう。成りたての頃は、ひたすら勉強でした。遅くこの職業につくことになり、出遅れ感もあったので猶更です。私の場合、これは一般の人と同じと思いますが、プロデューサーの概念というか、何をする人かという問いに、自分なり答えを出したいと思ったからです。本を読み、また、集まりがあれば、誰彼かまわず「プロデューサーって何ですか?」って、まるでトリュフォー監督「アメリカの夜」のジャンピエール・レオのようでした。しかし、なかなか同業者は簡単に教えてくれないものです。呆れられながら、プロデューサーなんてなるもんじゃないよと、暗に言われたように思います。
暫く経ち、実家の庭の手入れをしてくれている通称<親方>に「会社を作りました」と告げると、「人を使い始めるとな、うまくいかないことに、強くなるんだよ」と励まされました。
これが、その当時もっとも頼りにした言葉でした。
「うまくいかないことに、強くなる」言葉を変えれば「うまくいかないことが、自分に何かを教えてくれる」と言ってもいいかもしれません。
希望通り、イメージ通りに物事は進まないものです。それは柏崎映画祭も同様です。
プレ開催を含めて、4回目を迎える今年、まだまだうまくいないこと、手つかずのものが沢山残っています。
実行委員会に参加してくれたスタッフの皆さんと一緒に、うまくいかないことに悔しがり、時にはうまくいかないことを楽しみ、柏崎を映画の街にしてゆきたいと思っています。
是非、映画祭の三日間、柏崎市産業文化会館にお越しいただき、映画をお楽しみください。

柏崎に伺うのは、今度で何回目になるだろうか。たぶん10回は超えているはずだ。すぐには全部を思い出せないから、「数え切れないほど」と言っていい。
で、それらの全てが、映画に関係している。『天上の花』の撮影に始まり、柏崎市文化会館アルフォーレでの完成披露試写会、柏崎映画祭の準備のための活動、プレ開催、第1回、第2回… まさに、わたしにとって柏崎は〈映画の街〉なのである。
さて、今年第3回を迎える映画祭だ。
もはや恒例となったワンコインシアターでの『天上の花』に続くオープニング上映は、『ゆきてかへらぬ』。わたしの2025年度日本映画ベストワンであり、キネマ旬報ベストテン個人賞では監督賞(今回のゲストとして登場もしてくれる根岸吉太郎)、脚本賞(田中陽造)、主演女優賞(広瀬すず)にも投票している。それほどに、あらゆる面で圧倒的な傑作と思うのだ。
でも、わが『天上の花』も、製作費は『ゆきてかへらぬ』の数十分の一(?)にもかかわらず、テーマでは向こうを張っている。大正から昭和にかけての中原中也、小林秀雄、戦中から戦後へかけての三好達治、萩原朔太郎。文学者たちの生き方と時代のうねりとが交錯する点を見比べてほしい。初日からして豊穣なプログラムになっているはずだ。
二日目以降も、鋭い問題提起の映画が目白押しだ。中で、わたしのセレクション作品『みんな笑え』は異色の人間喜劇である。戦争、原発などの社会問題を考えることは極めて大切だが、泣き笑いの感情に浸るのも映画の醍醐味ではなかろうか。
会場で皆さんと一緒に映画を観て、終了後語り合うのを今年も楽しみにしています。












1952年、福岡市生まれ。高校時代から映画評論を書きキネマ旬報へ投稿。当時の白井佳夫編集長に鍛えられ、東京大学法学部卒業と同時に映画評論家デビューした。著書に『映画を追いかけて』88、『映画をみつめて』89、『映画に恋して』90、『韓国映画ベスト100』07、『ロマンポルノの時代』12、『昭和アイドル映画の時代』20。一方で75年~06年の31年余り文部科学省に勤務し、02年~06年の文化庁文化部長在職時は河合隼雄文化庁長官の下で日韓文化交流を急速に進展させた。退職後、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科、日本大学芸術学部大学院映画研究科等で教職に従事するうち、映画製作にも携わるようになる。映画プロデューサーとしては、『戦争と一人の女』(13井上淳一)、『バット・オンリー・ラヴ』(16佐野和宏)、『子どもたちをよろしく』(20隅田靖)、『なん・なんだ』(22山嵜晋平)、『天上の花』(22片嶋一貴)、『二人静か』(23坂本礼)を自主製作している。

早稲田大学政経学部卒。『クレィジー・コップ 捜査はせん!』(95)で監督デビュー。翌年よりプロデューサーとして仕事のフィールドを広げ、SABU監督『ポストマン・ブルース』(97)、鈴木清順監督『ピストルオペラ』(01)、『オペレッタ狸御殿』(05)など個性的な作品にかかわる。監督3作目のブラックコメディ『小森生活向上クラブ』(08)で独自のスタイルを得て新境地を開拓。つづく『アジアの純真』(11)では、その過激なテーマからロッテルダム映画祭など海外映画祭で物議をかもす一方、「白黒の奇跡」と評される。4時間超の長篇大作『いぬむこいり』(17/ プチョン国際ファンタスティック映画祭2019『SPECIAL MENTION』特別言及賞) 、初のドキュメンタリー作品『M/村西とおる狂熱の日々』(19)、文芸映画『天上の花』(22)などを監督。エッジの効いた映画づくりを続けている。他のプロデュース作品に『戦争と一人の女』(12)、『子どもたちをよろしく』(20)、『zk/頭脳警察50未来への鼓動』(20)、「GOLDFISH」』(23)、『福田村事件』(23/ 2024年エランドール賞プロデューサー奨励賞 )『青春ジャック』(24)などがある

1958年、新潟県柏崎市生まれ。大学在学中より演劇に関わり、数多くのプロデュース演劇、映画に出演。2006年に映画製作・配給の太秦株式会社の設立に参加し代表となる。近年の公開作品として『金子文子と朴烈』(19/韓国)、『子どもたちをよろしく』(20)、『狼を探して』(21/韓国)、『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(21/米)など。(21)『なん・なんだ』、『牛久』、『私だけ聴こえる』、『百年と希望』、『時代革命』(香港)など、自国で上映できないアジア各地の作品を配給しており、『Blue Island憂鬱之島』(香港)では、日本サイドのプロデューサーも務めている。『福田村事件』では、日本アカデミー賞(作品・脚本・監督)の3部門で受賞している。社会的な題材をもとにした作品を多数世に送り出し、現在、アジア各国の映画関係者と連携を図り、共同製作の企画が進行中である。

東京都文京区生まれ。公務執行妨害罪で逮捕され学習院大学文学部哲学科中退。内ゲバに嫌気がさして学生運動を離れ、1971年に東京ムービーに入社し、長浜忠夫の下で演出助手として『新オバケのQ太郎』などアニメ制作に携わるが、文芸部への移籍を申し出るも空きがないために退社。ストリップ劇場のスタッフなどを経て、1972年に東映東京撮影所と契約。演出部に所属。その後、東映東京撮影所契約者労働組合の書記長、委員長に就任し、組合の専従となる。助監督としては内藤誠、野田幸男、石井輝男、鈴木則文、舛田利雄、長谷部安春らに師事し、1980年、東映東京撮影所が初めてテレビ映画を手がけた『大激闘マッドポリス'80』でチーフ助監督に昇格。続編『特命刑事』ではB班監督を務めた。1982年フリーとなり脚本家に転身し、主に日活ロマンポルノ、テレビドラマなどを手掛ける。荒井晴彦、高田純、一色伸幸とともに山田耕大による企画製作会社ブレーントラストに参加。同社内の軋轢により、山田、宮島秀司らが新たに設立した企画製作会社メリエスに所属した。メリエス倒産後は自らエフ・デザインを立ち上げた。
『福田村事件』(23)のメインライターである。

1950年8月24日生まれ、東京都出身。
早稲田大学第一文学部演劇学科修了後、日活に入社。78年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で初監督。81年『遠雷』でブルーリボン賞監督賞、芸術祭選奨新人賞を受賞し、05年『雪に願うこと』で芸術選奨文部科学大臣賞、第18回東京国際映画祭の4部門受賞をはじめ、多くの映画賞を獲得する。09年、映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』では、モントリオール世界映画祭 最優秀監督賞受賞。10年には紫綬褒章を受章。主な監督作品に『狂った果実』(81)、『探偵物語』(83)、『ひとひらの雪』(85)、『ウホッホ探検隊』(86)、『永遠の1/2』(87)、『絆-きずな-』(98)、『透光の樹』(04)、『サイドカーに犬』(07)などがある。

1939年生まれ。日本大学芸術学部映画学科在学中に自主制作した『鎖陰』で一躍脚光を浴びる。大学中退後、若松孝二の独立プロに参加し、監督としても1966年に『堕胎』で商業デビュー。1971年にカンヌ映画祭の帰路、故若松孝二と中東地域へ渡り、パレスチナ解放人民戦線のゲリラ隊に加わり、パレスチナゲリラの日常を描いた『赤軍-PFLP・世界戦争宣言』を撮影・製作。1974年、再度パレスチナの前線に赴き、重信房子とともに日本赤軍を創設、後に国際指名手配される。23年後の1997年、レバノンで逮捕されルミエ刑務所にて3年間留置される。2000年2月刑期満了、身柄を日本へ強制送還される。2007年、35年ぶりにメガホンを取り、日本赤軍メンバーの岡本公三をモデルに描いた『幽閉者/テロリスト』で、日本での創作活動を再開。2015年、監督復帰2作目がカフカの短編小説を基にした『断食芸人』では、韓国の光州市民が蜂起して最後の拠点とした県庁舎跡地に新設された光州美術館の柿落としに公開された。そして、2022年夏、安倍元首相を銃殺事件を題材にして、直ちに、その銃撃犯を主人公として現代日本に生きる青年像を描き抜いたのが、復帰後第3作の『REVOLUTION+1』であった。2024年1月、桐島聡の存在が報じられてまもなく脚本の執筆に取り掛かり、夏には撮影を開始、秋に完成させたのが映画『逃走』であり、足立監督史上最大のヒットになる。

1994年生まれ、兵庫県出身。幼少からニューヨークで育つ。東京大学建築学科卒業後、映像作家の 山田智和の下でアシスタントディレクターを1年半経て、フリーランスの映像作家として独立。MV やCM、企業PVやVJ、LIVEなど多岐にわたって活躍。2021年、長編デビュー作『JOINT』が独立 映画約160作品から選ばれ、新藤兼人賞銀賞を受賞。大阪アジアン映画祭、ニューヨークアジアン 映画祭のコンペティション部門にノミネート、全国公開を果たした。長編2作目となる本作では、 主演の山本一賢とともに共同企画・脚本を担い、さらに編集と音楽まで手掛けている。第35回日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞。『メモリィズ』(2026年/坂西未郁監督)では、音楽を担当している。

岡山県生まれ。3期12年にわたり県政に携わる。政治家引退後、IT系の事業を立ち上げ、上場させ、現在経営者として活動を続けている。2016年に映画 『太陽の蓋』 を製作・公開。以後、各地での上映会に出向くほか、脱原発をテーマに、国内外で講演・発信を行っている。2022年には「武蔵野政治塾」を設立。4年間で42回開催。2026年8月に事務局長を江田洋一へ交代、現在は代表として、リアルな議論の場づくりに取り組んでいる。

1976年生まれ、東京都葛飾区出身。早稲田大学第二文学部卒業後、ENBUゼミナールで映画製作を学ぶ。担当講師篠原哲雄監督に師事。2012年、監督客保N作『くそガキの告白』(主演・今野浩喜)がテアトル新宿ほかで公開され、劇場映画デビュー。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012にて市場初の4冠を受賞。
2022年、監督脚本作『生きててよかった』が新宿武蔵野館ほか全国公開。主演に元ボクサーの俳優・木幡竜を起用し、その格闘アクションも注目される。
他の作品に、テレビドラマ『みんな!エスパーだよ!』(2013)、『PANIC IN』(2015)、オムニバス映画『THEATERS』(2023)、キネカ大森先付けショートムービー『もぎりさん』(2019)、脚本参加作品に映画『僕の月はきたない』(2024)、テレビドラマ『豆腐プロレス』(2017)、『ナンバMG5』(2022)などがある。

1968年生まれ。東京都出身。2000年〜2004年ニナガワカンパニーダッシュを経て、現在はフリーとして活動。主な出演舞台、蜷川幸雄演出「近松心中物語」「真情あふるる軽薄さ2001」「2001待つ」「三文オペラ」「四谷怪談」「マクベス」「ぺリクリーズ」「ハムレット」など。主な出演映画 『愛と酒場と音楽と」(2018) 『お口の濃い人」(2019) 『THEATERS」(2023)、『そして、優子II」(2024)など。映画『みんな笑え」が自身の初主演映画となる。

海賊と白バイ警官(府中のニセモノ)に憧れる日々を神奈川県逗子市にて過ごす。バブル絶頂期に大学を卒業するも映画界に迷い込み鈴木清順、小沼勝らの助監督を経て監督活動を開始。「ヤルタ・クリミア探訪記 PANTAと仲間たち」では共同著者に名を連ねる。監督作に『日本犯罪秘録・チ37号事件』『大阪ニセ夜間金庫事件』『長官狙撃』『河内山宗俊』、日活大部屋俳優の実録『人生とんぼ返り』、そして頭脳警察50周年プロジェクトで製作した『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』。
現在、棟方志功画伯のドキュメンタリーを製作中、本映画祭で製作発表の予定。

1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。20代は劇団俳協演劇研究所を経て、パリの国立高等演劇学院(コンセルバトワール)で日本人初の教授を務めた演出家ワダ・ユタカの教室で演技修行。30代は酒とバラの日々、40代はひたすら演劇活動。50代で片嶋一貴監督との出会いをきっかけに本格的に映画業界の末端に加わる。近年の主な出演作品(兼スタッフ)は『天上の花』(22)、『GOLDFISH』(23)、『福田村事件』(23)、『青春ジャック~止められるか俺たちを2~』(24)、『キャンドルスティック』(25)、『フェイクアウト!』(25)、『#拡散』(26)等。2024年自身のプロダクションであるキャットペッパー合同会社を企業。
柏崎映画祭はプレ開催から数えて4年目のお手伝い。いつか柏崎で短編映画を監督したいのが目標の一つである。
新たなゲストが決まり次第、公式サイト、SNSで発表します
1F窓口にて
0257-24-7633
柏崎市役所 1F売店
柏崎市 喬柏園内
[1回券]
前売 ¥1,000
(当日1,300円)
[1日券]
前売 ¥3,000
(当日・前売共通)
※1日券は土日のみ、メールにてお申し込みください
[1回券]
前売 ¥800
(当日1,000円)
[1日券]
前売 ¥2,500
(当日・前売共通)
※シニアは60歳以上
※1日券は土日のみ、メールにてお申し込みください
¥500(当日・前売共通)
※ワンコイン、窓口で精算します。